昨今、パソコン・スマートフォン・サーバーなどに使用する『メモリ』という重要なパーツの価格大暴騰の影響で、パソコンの購入相談のご依頼が増えています。
Windows10終了という「何か不都合でもあるの?」と実感の湧きにくい問題よりも、
「パソコンの値段が上がってしまう!!」
という分かりやすい危機感のほうが需要が伸びるのは面白い現象なのですが、事態は決して笑い事ではありません。
そしてこの、
『パソコンの値段が上がる』
というタイミングと重なって、最悪のサービスを天下のマイクロソフト様が打ち出してまいりました。
今回はちょくちょく世界中に迷惑をかけて下さいますマイクロソフト様の新サービスについての注意喚起です。
サクラエージェントは京都市に拠点を置く事業者で、ご依頼は有償です。依頼意思の無い無料相談は受け付けておりません。
Microsoft Officeとは

文章を作成する『Word』や、
表計算をする『Excel』、
メールを送ったり受けたりする『Outlook』
それらをまとめて、
『Microsoft Office』
といいます。今回そのMicrosoft Officeが付いているパソコンの一部に注意が必要なものが混在していることを確認したので、これからパソコンの買い替えを考えている「自分はあまり詳しくない」という方向けに、なるべく分かりやすいように説明をしていきますね。
「Microsoft Officeなんて、誰でも知ってるでしょ」
と突っ込まれそうなのですが、それは知っている方にとっての常識です。
この仕事をしていると『当たり前』が通じないことなんて多々あります。
特にご高齢者や機械が苦手なお客様のなかには、
「Officeはどうしますか?」みたいな聞き方はしないようにしています。感覚として、半数以上は話が通じないからです。もう少し言葉を展開して『ExcelやWord』という説明をするようにしていますよ。
Officeの種類
一般的には、Officeというと
『パソコンを買ったときに最初から入っている』
という認識をお持ちの方が多いです。しかしこれはまず、
『絶対ではない』
ということをお伝えしておきましょう。
昨今は海外メーカーのパソコンも当たり前に店頭に並んでいますが、それらにはOfficeが入っていないか後述の
『Office互換ソフト』
が入っていることが多いですね。
では『多くの方にとっての当たり前』のMicrosoft Officeの種類についてササッと紹介しましょう。
詳細は省いて、かなりザックリ説明していることをご了承下さい!
店頭やインターネットショッピングで、3〜4万円で購入して使うタイプです。
一度購入すれば毎月のお金はかかりませんが、経年により新しく追加される目玉機能のアップデートがなかったり、Office自体が使えなくなるわけではないのですがせっかく高いお金を支払って購入しても4~5年でサポートが切れます。
現在までも度々値上げがされてきており、今後も値上がりの可能性があります。
なぜならばMicrosoftは後述の、
『サブスクリプション』を売りたいから
です。
メリットは、一度買えば半永久。そして大体2台のパソコンで有効になることです!
昨今負のイメージがある、
『サブスク』
といわれるタイプです。
毎月 or 毎年、お金を支払って利用継続して使います。
『サブスク』という時点で『論外』とされるケースが非常に多く、知らずに申し込んでしまってガンガン料金が引き落とされている方もとても多いです(年間で10人以上は余裕で遭遇します)。
しかし、一部では理にかなった契約となっており、1契約で複数台のパソコンでOfficeが使える契約もあるため事業者様などは買い切りよりも節約になるのと、このタイプとなるとようやく『OneDrive』という酷いサービスに日の目が当たるようにもなります。
悪いことばかりではありませんが、
『個人が1台のパソコンで使うには価格に見合わない』
と言えるので敬遠され、マイナスイメージのほうが多いのでしょう。
これが多くの人にとっての常識で、それ故に混乱も招いている、
『パソコン購入時に「最初から入っているように見える」Office』
です。
ともかく『パソコンを買えばOfficeは入っていて当たり前』という認識の方が未だにおられるので、依頼が来てお客様が用意したパソコンがOffice無しのものでそもその機能がなく、それを説明すると、
「なんでOfficeが入っていないんですか!!」とキレる人がいるほどです。
(そんな理不尽な怒り方をしてくる人には、普段無料でしている互換サービスの設定を有料でして差し上げておりますよ!)
メリットは当然、最初から使えるので混乱やトラブルがないことですが、
パソコンを買い替えるとそのOfficeごとのお引越しは不可能です。
Officeソフトというと、99%の人は問答無用でMicrosoft Officeこそが、Officeとなりますが、
世界にはそれ以外の『Office互換ソフト』という物も存在します。
- Libre Office…オープンソースという、無料のOfficeソフトの代名詞です。しかし完全互換ではないので、元々Excelで作成していたファイルをLibreで開くとレイアウトが崩れたりします。
- WPS…チャイナの有料互換Officeです。海外製のパソコンにプリインストールされていたり、『中古パソコンOffice付き!』みたいな品物に罠でついていたりします。(正直、お金出してまで使う必要はないです。)
- MacのiWork…Apple社のMacコンピューターにも、最初から無料のOffice互換ソフトが入っています。Wordの代わりがPages、Excelの代わりがNumbersといいます。iPhoneでも使えますよ!
これも高齢者の方や機械が苦手な方に多いのですが、そんなにOfficeを使わないのに「Excelがないと困る」「やっぱりWordくらいないと!」という方がいます。
取引先に納品するわけでもないのにWordやExcelで作成することに固執する方に、互換ソフトを教えると、結構喜ばれます。知らなかっただけ、ということですね!
今後2026年からはパソコンは確実に値上がりするので、この機会に互換ソフトへの移行でOffice離れをして無駄な費用を抑えたら良いと、私は思います。
問題の『Officeオプション付』
2025年12月中旬。パソコン高騰のニュースを観たようで顧客様から、
「以前相談に乗ってもらったノートパソコンの買い替えをお願いしたい」
と連絡がありました。
ご訪問して改めて環境の確認と、どんなパソコンで予算はどうするかとお話をして、その日の内に家電量販店に行って買ってきました。(担当さんが付いてるので、どうみても『掘り出し物』のノートパソコンを、おそらく日本で一番安く手に入れてきました!)
ただし、お店からプリントを渡され注意事項の説明も受けました。
「藤野様は大丈夫だと思いますが、設定を間違えるとOffceが使えなくなるので気をつけて下さい。」…と。
それが今回の、
『 Microsoft365 Personal / Office Home & Business 2024 オプション付』
です。頂いたプリントをPDF化し、ダウンロード出来るようにしてみまた。
2025年後半から出回り始めていたようなのですが、私も実際に扱うのは初めてでした。
確かに業務委託契約が残っていたけど依頼を蹴ったクライアントさんからの全体発信で、この件について注意喚起のメールが来ていましたがその取引先が嫌いになったので全く読んでおりませんでした(・ω<)b
どういう物なのか、私がMicrosoftにも問い合わせて確認してみたので、どんな物なのかちゃーんと解説しますね!
強制サブスクリプション、Office消滅の可能性
まず、購入したパソコンは普通にWindow11のセットアップに進みます。
現在はMicrosoftアカウント必須になったので、これも作成か既存を引き継いで設定していきましょう。
(ローカルアカウントの場合は検証していないので、知りません。)
そして長くて迷惑なシステムインストールのあとで、Officeの設定画面となります。
ここで早速注意点です。
ここで、絶対にサブスクリプションの
『辞退する』を選んではいけません!!
ほとんどがOffice付きと思って購入した人のことです。嫌われ者のサブスクリプションは『辞退する』でスキップしたくなりますよね?
そこが罠です!

なんとここで『辞退する』をクリックすると、
プリインストールのOfficeが『消滅』するのだそうです。
「マジかよ!?そんな詐欺みたいな罠あるかいな!!」と思いますよね?
コチラ、私はチラシを読んでなんとなく予感していましたが『嫌がらせ返し』でわざとMicrosoftに問い合わせをして、チャットの画面をスクショしてまいりました!

このように、今回の『Microsoft365 Personal / Office Home & Business 2024 オプション付』は、
『ミスると終わる』
という最悪のサービスとなっております。「いや、サブスク使うし」という方以外は本当に気をつけましょう。
そもそも、他に選択肢があればこんなの買わないようにして下さい。
オプション付きの正しい手順
Microsoft365 / Office Home & Business2024オプション付のパソコンを購入してしまって、使いたいOfficeがサブスクではなくプリインストール版のほうが本命の方は、以下の手順で進みましょう!
『Microsoft365 Personal / Office Home & Business 2024 オプション付』は、サブスクを避けて最初からプリインストール版のOfficeを選択するということが『出来ません』。
頭に来ますが、ここは仕様だと怒りを抑えてサブスク利用として『続ける』を選ぶ以外にありません。
更に!まだそのあとに『継続請求』というボタンが最初からオンになってしまっているので、サブスクを望んでいない方はここで忘れずに『継続請求をオフ』にしておきましょう。

普通に、ライセンス認証して下さい。わからなかったら、ググって調べて下さい。
死ぬほど嫌いなサブスクを仕方なく使用していると3ヶ月後に、
『要求』
という表示が現れるそうです。
ここで、『要求』をクリックして、本来使用したかったプリインストール版のOffice Home & Businessを選択して設定をして下さい。コレで晴れて、サブスクとはおさらばして『元々パソコン本体料金に上乗せされていたOffice Home & Business』を使える様になるようです。ひっでぇ話!!
現場でも設定しながら頭に来ていましたが、改めて書いてまとめていたらMicrosoftに憎しみが湧き上がってきました。
みなさんもそうだと思います。なので、私からちゃんとMicrosoftに文句を書いて送っておきました。
絶対に読んでくれねーけどな!!

手続きを忘れた場合
さてさて、ここまでを読んでいただければきっとMicrosoftの罠に引っかかり知らぬ間にサブスクを契約させられていたという被害者予備軍は結構減らせたのではないかと思います。
・・・が、Microsoftがそんな生易しいことするわけないじゃないですかぁ〜!
もしですよ?もしこのとりあえず『続ける』でサブスク無料期間3ヶ月のあと、Office使用中に表示される『要求』からの操作を長期間失念していたら、どうなると思います???
なんと、プリインストール版のOffice Home & Business 2024の利用資格は、
そのパソコンでは永遠に失われる
ですって!出たよ嫌がらせ!!

まぁね、用意周到な人や自己管理が出来る人はしっかりカレンダーに記入したり、スマホでスケジュールに入れるでしょう。
ただ、それをしない人々。めっちゃいますよ、いっぱい接客してきました。
「絶対覚えてるから大丈夫!!」
・・・この言葉を発して数ヶ月後の再訪問でパスワードなどの情報を失念している人なんて、夜空にきらめく星の数ほど遭遇してきましたよ・・・。(信頼して下さるお客様には私が2~3重に保管するので問題は起きません!)
自業自得だからどうしようもありませんが、この『要求』が表示されてからプリインストール版のOffice Home & Business2024に切り替えが可能な期間には、期限があるようです。
その期限とは、サブスクの無料期間終了から、90日以内です。
そしてその期限を過ぎてしまうと、プリインストール版のOffice Home & Business2024の利用資格は消滅してしまうのだそうです。
こんなの絶対問題になるぞ〜!
本件のお客様に関しましては、私が3ヶ月後に再訪問してプリインストール版Officeが使えるようにサポートするお約束をしてまいりました。
その際に、すでに許可を得ているので『要求』表示や移行手続き画面のスクリーンショットを取得し、改めて本ブログを更新する予定です!
あばよ、Microsoft!
正直、ここまで消費者を舐め腐ったサービスというのは中々お目にかかったことが・・・たくさんありますが、今回のこのMicrosoftの問題は特筆すべき酷さでしたので、ブログにしてみました。
前述してきたように、Officeにこだわっても実際はOffice互換ソフトや代用サービスでどうにかなる人は潜在的にかなりの人数がいると実感しております。
2026年からメモリやSSDを搭載するパソコンやスマホなどの機器は、確実に値上がりします。
今まで150,000円でOffice付きで買えていたノートパソコンが200,000円出してもOfficeが付いていないなんてことが、当たり前になります。
その状況でも大して使いもしないOfficeソフトにお金を払うというのは、固定観念の奴隷になっているようなものだと、私は思います。
ここで、Microsoft OfficeからOffice互換ソフトのLibreOfficeに環境移行をして大成功した海外のニュースを紹介しましょう。
https://japan.zdnet.com/article/35238433/
オーストラリア軍が、MicrosoftのサービスからLinux系の無償サービスに移行したという話です。
経緯としては経費削減といった単純な話だけではないようですが、これにより年間648万ドルの経費削減に成功したそうです。(648万ドルっていくらよ? → 約10億円です!!)
話を戻すと、Microsoftに限らずAdobeやselesfoceもそうですが『業界標準ツール』と化した大手企業のサービスに依存することにはリスクが生じます。
値上がりしても、文句を言えず従うしかないのです。
私ももちろん仕事でofficeは扱うので所有はしているのですが中古パソコンにセットされていたOfficeをトラブル検証用に使っているだけで、実務としては様々な互換ソフトを駆使して仕事をしております。私の作業量の問題もありますが、全然困りません。
安易に大金をかけてやり過ごすより、工夫して安く済ませるのが好きです。
これからパソコンの購入を考える方は、トラブルを未然に防ぐためにも 『Microsoft365 / Office Home & Business 2024オプション付』のパソコンは買わないようにすることも大事ですが、
そもそも自分の使い方に、高額なMicrosoftのOfficeが本当に必要か?というところも、考えてみて下さい。
サクラエージェントのサポートは、有償です
ここからは、お願いです。
これまでそんなに多くはないですがインターネットトラブルや機器設定に関するブログを書いてきて、中にはそこそこ読んで頂いている記事もあるのですが、毎月ブログ記事の問い合わせフォームから、
無料で相談にお乗ってもらえる
と思ってしまうのか、依頼の意思を感じられない連絡をしてくる方が、必ずいます。
サクラエージェントは京都市に拠点を置く事業者です。ボランティアではありません。
ご依頼は受けますが、個別で無料で質問だけしたいという方は、連絡をしてこないで下さい。
特に関西圏以外の遠方の方は、もしご依頼となると相応の出張費がかかることをご留意の上でお問い合わせをして下さい。
依頼の意思がある、失敗しないようにパソコン選びからアドバイスしてほしい、というお客様は精一杯のサポートをさせていただきますので、どうぞお気軽にご相談下さいませ!
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